埼玉県は、関東平野の主要な農業地帯であると共に、荒川流域の人口密集地を抱える県です。そのため、地震だけではなく、大雨・台風による洪水、内水氾濫、土砂災害など、多様な災害リスクがあります。特に近年は都市型水害が頻出し、地下放水路(首都圏外郭放水路)などの整備も進められています。
本記事では、直近20年の埼玉県の主な災害事例や地域ごとのリスク、日頃の備え、そしておすすめの防災グッズを、県の防災ポータルや公式アプリとともに紹介します。
① 過去の災害事例
- 2019年 台風19号(令和元年東日本台風)によって、関東地域は広域にわたり河川氾濫や土砂災害が発生し、埼玉県内でも堤防決壊や浸水被害が多数報告されました。とくに荒川水系の川の流域では甚大な被害となりました。
- 2015年 台風一過の集中豪雨によって、一部地域で内水氾濫が起こり、住宅街に冠水被害が発生しましたが、詳細な公式データは自治体の防災ページなどで確認できます。
② 埼玉県の災害リスクと特徴
- 地震リスク:埼玉は首都直下型地震の揺れの影響を強く受けるエリアで、住宅の耐震性や家具固定が重要です。
- 豪雨による洪水/内水被害:荒川や中小河川の氾濫だけでなく、都市部で下水道能力を超える“内水氾濫”も頻発。
- 土砂災害:中部・秩父郡など山間部では大雨での崖崩れや土砂崩落のリスクがあり、注意を要します。
特に災害リスクの高い地域・河川・山間部
埼玉県内には、地形や河川の特徴から「特に災害リスクの高い地域」が多く存在します。洪水や土砂災害への備えは、地域特性を踏まえて行うことが重要です。
- 荒川流域(さいたま市・川口市・越谷市など)
首都圏を流れる荒川は、大規模台風や集中豪雨時に堤防決壊や越水の可能性が高い河川です。過去にも広域浸水被害が発生しており、特に低地の住宅密集地は要注意です。 - 利根川流域(熊谷市・加須市・行田市・羽生市・久喜市・三郷市など)
利根川は日本最大級の河川で、洪水時には広範囲で深刻な浸水被害が想定されています。埼玉県の浸水想定区域図では、多くの市町村が浸水リスク地域に含まれており、越谷市などでは浸水シミュレーションも公開されています。 - 山間部(越生町・秩父地域など)
秩父山地や西部の山間部では、土砂災害警戒区域が多数指定されています。豪雨や台風の際には、土砂崩れ・落石・河川氾濫が重なるリスクがあり、避難の判断が遅れると命に直結する危険があります。
このように、埼玉県は大規模河川の氾濫リスクと山間部の土砂災害リスクの両方を抱える地域です。特に洪水時は広域避難の可能性もあるため、各自治体が公開する「洪水ハザードマップ」を必ず確認し、地域特性に応じた備えを行うことが欠かせません。
④ 日頃の備え
- ハザードマップの確認:各市町村の防災ページから、洪水・土砂・内水氾濫リスクマップを確認しましょう。
- 県の防災情報ポータル:「埼玉県防災ポータル」では、避難所情報・リアルタイム災害情報が得られます。
- 防災アプリの活用:複数市では防災アプリによる避難情報、警報通知などが可能です。
- 避難ルート確認・訓練参加:自宅から最寄り避難所への経路確認と地域訓練への参加を習慣に。
- 家具転倒防止:地震による家具転倒を防ぐため、転倒防止器具の設置を推奨します。
⑤ 埼玉県民におすすめの防災グッズ
- 非常持ち出しセット:折りたたみ靴、携帯トイレ、水・非常食、懐中電灯、モバイルバッテリー
- 家庭備蓄:3〜7日分の水・食料、ラジオ、ヘルメット、防寒具
- 洪水・土砂対策:防水シート、簡易土嚢袋、浸水防止用板など
- 情報収集:埼玉県防災ポータル、アプリ、Yahoo!防災速報などに事前登録を。
まとめ
埼玉県は「地震」「洪水・内水氾濫」「土砂災害」の三重大リスクが混在する地域です。都市部と山間部で異なる災害傾向があり、それぞれに合った備えが必要です。ハザードマップ確認、防災情報ツール活用、避難計画の家族共有、持ち出し品の準備を日々の習慣にしましょう。小さな準備が、大きな安心につながります。
FAQ
- Q1. 埼玉県の災害情報はどこで確認すれば良いですか?
→ 埼玉県防災ポータル、各市町村の防災ページをご確認ください。 - Q2. 埼玉で洪水リスクが特に高い地域は?
→ 荒川流域(さいたま市・川口市・越谷市など)が特に危険領域です。 - Q3. 土砂災害のリスク地域は?
→ 山間部(秩父郡・越生町など)は土砂災害警戒区域が多くあります。 - Q4. 東京外郭放水路ってどこにあって何?
→ 春日部市郊外にある地下巨大放水施設で、都市部の洪水を抑える防災インフラです。 - Q5. 各自治体のハザードマップはどう使えばいい?
→ 自分の住まいの浸水・土砂リスクをマップで確認し、避難所までの経路を家族で共有しましょう。 - Q6. 台風や豪雨に備える最も重要な対策は?
→ 排水が追いつかない都市型洪水に備えて、防水シートや排水ポンプの準備・避難訓練が特に効果的です。
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