静岡県は、富士山を抱え、太平洋に面する自然豊かな地域ですが、その一方で「地震・津波・台風・土砂災害」といった複数のリスクが集中する、日本でも有数の災害多発地域です。特に「東海地震」や「東南海地震」は過去から繰り返し指摘されており、県民にとって常に現実的な脅威です。
この記事では、静岡県特有の災害リスクと過去の事例、リスクが高い地域、日頃の備え、そして県民に必要な防災グッズについて解説します。あわせて静岡県公式「ふじのくに防災情報」などの活用方法も紹介し、実践的な防災対策をお伝えします。
過去の災害事例(H2)
静岡県は過去20年でも大きな自然災害を経験しています。
- 2009年駿河湾地震(M6.5)
静岡市や焼津市で住宅の被害が多発。新幹線も一時運休しました。 - 2011年東日本大震災による津波
焼津港や清水港で津波が観測され、漁船の転覆や港湾被害が発生。 - 2019年台風19号
県中部や西部で大雨による河川氾濫・土砂崩れが発生。特に安倍川や大井川流域で避難指示が出されました。 - 2022年台風15号
静岡市を中心に記録的豪雨となり、河川氾濫・床上浸水・土砂崩れが多発。停電や断水が長期化し、インフラの脆弱性が浮き彫りとなりました。
静岡県の災害リスクと特有の傾向(H2)
静岡県が抱える主なリスクは以下の通りです。
- 東海地震・東南海地震の切迫性
駿河湾を震源とする東海地震は、プレート境界型巨大地震として以前から警戒されています。東南海地震と連動すれば、南海トラフ巨大地震として想定死者数は全国最悪レベルになる恐れがあります。 - 津波リスク
静岡県沿岸は駿河湾・遠州灘に面しており、最大クラスでは20m級の津波が焼津市や御前崎市などで想定されています。 - 土砂災害・火山リスク
富士山南麓や伊豆半島は急峻な地形のため、大雨時の土砂災害が頻発。加えて富士山噴火の影響も想定されており、火山灰被害が東海地方全域を覆う可能性があります。 - 台風と豪雨被害
太平洋に面する地理から台風の直撃を受けやすく、豪雨に伴う浸水・停電・倒木被害が頻発しています。
災害リスクの高い地域・河川・海岸部(H2)
津波高リスク地域(市町村ごとの想定)
- 静岡市清水区(清水港周辺)
最大クラスの津波想定では、平均6m/最大9~10mに達する可能性があります。さらに津波が観測されるまで、最短で17〜25分という短時間であったことも注目点です。 - 御前崎市
駿河湾沿岸の区画では、津波詳細解析において「御前崎~浜岡砂丘西」などが対象エリアに指定されています。地域海岸ごとの津波高さシミュレーション資料に記載されています。 - 焼津市・牧之原市
駿河湾沿岸の地形区分に含まれ、御前崎や静岡市に匹敵する津波リスクを抱えています。 - 下田市・南伊豆町など伊豆半島沿岸
海食地形や湾入地形の影響を受けやすく、高い浸水深を記録する可能性があります。国交省の浸水想定資料に整理されています。
河川リスク(豪雨時の氾濫傾向)
- 大井川・安倍川(静岡市周辺)
令和2年7月の豪雨では、両河川とも水位は急上昇こそしなかったものの、「水防団待機水位」前後を長時間推移する異例の洪水期となりました。氾濫危険水位を超えれば浸水リスクが一気に高まります。 - 台風19号(平成元年)による被害
東海道本線沿線や市街地で越水が確認され、藤枝市~焼津市の木屋川・志太田中川・小石川流域では数千人規模で避難勧告が出されています。
土砂災害高リスク地域(山間部・伊豆半島南部)
富士宮市周辺
山地の急勾配と集中豪雨により、土砂災害の警戒区域が多数指定されており、観光客を含む巻き込まれるリスクが高いエリアです。
伊豆半島南部(熱海市・南伊豆町など)
2021年7月3日、熱海市伊豆山地区では猛烈な土石流が発生し、26人が死亡、128棟以上の住宅が被害を受けました。災害派遣が自衛隊に要請されるほどの規模でした。
日頃の備え(H2)
- 家屋・家具の耐震化
古い住宅は耐震診断と補強を。家具は必ず固定し、就寝場所を安全に。 - 避難所と避難ルートの確認
沿岸部では津波避難ビルの場所を家族で共有。山間部では土砂災害警戒区域を確認。 - ライフライン途絶への備え
水・食料は1週間分を目安に備蓄。断水時に備えてポリタンクや給水袋を準備。 - 防災アプリの活用
「静岡県防災アプリ」では避難情報・雨雲レーダー・津波警報を即時確認可能。
静岡県民におすすめの防災グッズ(H2)
- 津波・地震対策品
防災頭巾・ヘルメット、ライフジャケット(沿岸部居住者)。 - 断水・停電対策
簡易浄水器、ソーラー充電器、ランタン、携帯トイレ。 - 避難時必須グッズ
リュック型防災バッグ、現金(小銭)、モバイルバッテリー、常備薬。 - 地域特有の備え
海沿い居住者は「津波避難マップ」、山間部では「土砂災害ハザードマップ」を常備。
👉 推奨グッズはこちらにも掲載されています。
まとめ(H2)
静岡県は 「東海地震・東南海地震・津波・台風・土砂災害」 の複合リスクを抱える地域です。
特に東海地震は「いつ発生してもおかしくない」と言われ続けており、他の地域以上に「事前の備え」が求められます。
災害は待ってくれません。今すぐ準備を始め、家族の命を守りましょう。
FAQ(H2)
Q1. 静岡県で想定される津波の高さは?
A. 最大で20m級が想定され、特に御前崎市・焼津市・下田市などで高リスクです。
Q2. 東海地震は本当に近い将来起きるのですか?
A. 正確な予知は不可能ですが、プレートのひずみが蓄積しており「切迫性が高い」とされています。
Q3. 富士山噴火による静岡県の影響は?
A. 火山灰によるライフライン障害(停電・断水・交通マヒ)が広範囲に及ぶ可能性があります。
Q4. 静岡県の避難所情報はどこで確認できますか?
A. 「ふじのくに防災情報」ポータルサイトや静岡県防災アプリで最新情報が入手できます。
Q5. 静岡市の液状化リスクは?
A. 東京湾沿岸と同様、清水区など埋め立て地では液状化被害が過去にも確認されています。
Q6. 災害時に観光客はどう行動すべきですか?
A. 観光地の避難所や津波避難ビルは表示されています。観光前に地図で確認することを推奨します。
静岡県の災害・防災について、情報やご意見をお聞かせください。サイト自体も、さらに充実したものにいたします。
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